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震える手でかき集める千宮に
大石は悪びれず言い放つ。
「それは差し上げますよ。
なんだったら、データも・・・」
そういって、SDカードをチラつかせる大石を
千宮は睨み付ける。
「・・・何が目的だ・・・」
そうだな、と可笑しそうに笑う大石を
賢そうな秘書が窘める。
「先生、早く本題に。
誤解を受けるような行動は慎んでください。」
はいはい、と大石はつまらなさそうに
手をヒラヒラさせる。
「別に、何の目的もないよ。
でも、見ての通り、貴方の愛する彼女は
今、危機的状況に陥っている。
夫は浮気を繰り返し、暴力的。
家庭は崩壊し、弱った彼女を狙って
男達が取り囲む。
食い物にされても、逃げ場すらない。」
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