10人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・どうして・・・そんな、君が・・・」
フッと大石は笑う。
「・・・借り、あるんですよ・・・」
「?」
内緒ですよ、と大石は年相応の顔で笑う。
「彼女に絵を描いてもらったんですよ。
初めてだった。
誰かに心を見透かされて、ホッとしたのは・・・」
そういって、恥ずかしそうに呟く。
「救われたんですよ、俺は・・・」
何となく事の成り行きが分かった千宮だったが
それでも、顔を顰める。
「だが、君・・・」
ええ、と大石も認める。
「これはやり過ぎです。
俺も、ここまでするつもりは無かった。
でも、調べれば、調べるほど、どうしようもなくて・・・」
そう、頼りなげに眉を下げる大石は
どこか幼く、弱弱しささえ感じた。
最初のコメントを投稿しよう!