王への謁見──[(五分前)]

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隣にいる闇帝(姉)ともまだまともに会話ができていないから尚さら不安だ それはもう、油断すれば大きなため息が"連続"で漏れるくらいに不安だ 流石に妹(悪魔)のように危ない人格はしていないと思うが(祈るが)、血縁関係はあるらしいので油断ができない まあ、王城の通路を歩くだけで震えているので、あれ(妹)よりはまともな人格だと思うが… 「闇帝、大丈夫か?」 「……………」 「……?闇帝?」 「えっ!?あ、はい…なん…ですか…」ビクビク 「そんなに怯えなくてもいい…大丈夫か?」 「は、はい大丈夫…です」 「そうか…」 正直、年相応(見た目5歳ぐらい)の反応に嬉しくなり笑みが浮かんだ あ、いや…そういう性癖はないから勘違いするなよ あれ(妹)を見てからこれ(姉)を見れば誰でも感じる事だ うん、やっぱり子供はこうでなければ… 「でも、無理はするなよ。俺がお前の隣にいるのはお前のサポートの意味もあるんだからな」 「…はい、ありがとうございます全帝様」 「…全帝でいいよ、様はいらない」 「え、でも…」 「俺(全帝)と闇帝は対等の存在だ。ギルドでは力が全て、年功序列は関係ないからな」 「でも私は…」 「解っている、ミリアだったか?あんな妹がいて大変だな」 「いえ、クーリカは本当はとってもいい子なんですよ……ただ、私があの娘を変えてしまったから……」 急に下を向き、辛そうに述べる闇帝 だが、俺にはそれより気になる事があった 「ん?クーリカ…それは誰の事だ」 「……へっ?妹の名前…ですけど」 妹?あれ以外にもいるのか? 「いや、私が調べた限りではダーク家の子供は3人…3人っ!?」 「どうかなさいましたか?」 不思議そうに此方を伺う闇帝に反応できない程、俺は同様していた 俺はここで重大な誤解に気がついたのだ ダーク家の子供は3人、内子息は1人、息女は2人… あれ(ミリア=悪魔兼妹)の他にクーリカという名の妹───なら、彼女は誰だ?
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