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余りにも可笑しいと言う事で、辻番は持っていた龕灯提灯で先を照らす。
そこで見つけたのは、少年の亡骸と野良犬。
恐怖で堪らなくなった辻番は、目一杯。
懐の呼子を、震えながらも轟かせた。
二
「田嶋さんは、いらっしゃいますか?」
普段、八丁堀に出入りをしない目附。
その目附の一人である神戸が、田嶋の家へ顔を出す。
「いらっしゃい。主馬なら、庭に居るよ」
伝法な、それでいて色気の在る言葉を松か鶴。
どちらかが、田嶋の居所を言った。
「済いませんね。野暮天な、お仕事の話なもので」
「では、杉下さんと亀山さんも読んだ方が良いですね。あ、あと伊丹さんも」
大分、主馬と連れ添った所為か。
主馬の仕事関係の人間は、把握してる様だ。
「お雪、ちょっと」
裏で薪割りでもしてたであろう下働きの、地獄の蒼フードだったナターシャを呼ぶ。
「何か御用でしょうか? 松姫様」
「姫は止めなさいと、あれ程……。まあ良いです。ひとっ走り、与力の杉下さんと、同心の亀山さん。それと、伊丹さんも」
承知しましたと、ナターシャは門を出ていく。
「こっちですよ」
神戸を招き入れ、廊下へと通す。
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