第1章

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歯磨きして、顔をザバザバ洗って、髪の毛を少しワイルドにセットする。大人の男のコロンを付ければ一端の男の完成だ。服の乱れもちゃんと手入れしたし、さて、お姫様(笑)と散歩の時間としよう。 NINAが俺の周りでウロチョロ行ったり来たりを繰り返す。落ち着きがなく、心の底から楽しんでいる様子なんで、俺もつい甘やかしちまう。 「さあ、航海の旅に出発だ!」 《何言ってんの?行きましょ、ご主人様》 NINAは俺よりも先に外へ飛び出した。 太陽がNINAの体に光を与える。いつ見ても不思議な光景だ。NINAは光っていた。余りにも眩く直視出来ない。直視するためにはサングラスが必要だった。 小遣いはたまに自宅のテーブルの上に置いてある。『零水礼央君へ』と書かれた手紙の文字は父さんや母さんの文字ではない。それでも、ありがたく頂くしかないだろ?死んだ俺にだって小遣いなしの青春には厳しいものがある。ま、友人なんて土子しかいないから、土子にUFOキャッチャーで変なぬいぐるみを渡してやるのが金の主な使い道になるが。 そうそう、サングラスの話だった。サングラスのために何者かの金を頂き、月1000円ずつ貯金している訳さ。なんか文句あるか?
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