第1章

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まず、最悪なことがあるとすれば、NINAが性悪女だったことだ。 そうでもなければ、俺が空気になる訳ないだろ? 俺はクラスのムードメイカーだった。それがどうしてシカトの嵐に遭うと思う? 俺は確かに《透明人間になりたい》とNINAに告げた。それは確かだ。だからと言って、空気君にされちゃ困る。一時の青春の過ちごときで俺の人生グチャグチャさ。 \(^o^)/オワタ とまあ、余裕をかましていられる間はいいのな。顔だって性格だって成績だって運動神経だって悪くないこの俺がいつまでもメソメソしている訳がない。さて、空気君として新しい1日を歩もう…。 あれ? 真面目に終わってないか? 誰も俺を見ない? 俺の姿が見えていない? 俺は生きている。確かに。だが、何故、透明人間になりたかったのか忘れてしまった。 それに両親は気付いていないが、妙なことに中学2年から抜け出せないんだ。俺、成長も進学もしてない。 余りにも妙なんで警察に訴えたとも。そしたら、必ず今時珍しい黒電話が鳴る。警官が俺の話を聞く体制に入ることは永遠に来ないと悟った時の俺の絶望感、想像できるか?あり得ない話だが、事実なんだ。だから言ってるだろ?俺は優秀な人材であって、空気君のままだと勿体無いって。
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