第3章

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俺はもう立派な大人だ。だが、女に甘いのは子供の頃からと同じで変わっていない。偽土子は俺をベッドに拘束したまま、自由に出入りした。 「零水君、もう大丈夫だよ?楽にしてあげるからね。ご飯にしようか。メロンパンとかコロネとか買って来たよ」 俺は叫んだ。 「俺はペットじゃねえ!!解け、土子モドキ」 偽土子がキョトンとしている。 「ペットが欲しいの?」 「お前をペットにしてやる。土子モドキ」 「土子は土子だよ」 俺は小さな子供に教えるように言った。 「いいか、俺の好きな人はつちのこなんだ。洒落たSM嗜好の犯罪者じゃねえ」 俺は畳み掛ける。 「お前なんかつちのこモドキだ」 土子モドキが擦り寄って来る。 「零水君の強気なところ好き」 「近寄んな!ケダモノ!」 土子モドキは嫌がる俺に無理矢理、明太子フランスを食べさせた。いや、無理があるだろ?それでも、俺は硬いパンを食べざるを得なかった。昨夜から1日中、何も口にしてなかったんじゃ、仕方ねえよな。 俺が飢えた口でガツガツ、パンを平らげていると土子モドキは俺の頭を軽く撫でた。 おふざけでその手まで噛み付こうとする。 土子モドキがキャッと一声上げ、楽し気に手を引っ込めた。
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