第3章

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俺はしけたツラして、せせら笑った。 「キャッてお前、並大抵の女のつもりか?お前なんか一般の女以下のスベタだ!」 土子モドキは少し心外そうに微笑む。 「メロンパンは私の分だよ、そんなこと言ったら…」 「俺の餌じゃねえのか?」 「私ごと食べるといいよ、零水君」 俺は自分の状況を忘れた。 「このスケベ!変態!」 土子モドキがネットリと俺の口に付いた明太子を舌で拭う。 全身に寒気が走る。 俺は逃走回路を探した。 淡いオレンジ色の電球が3つ、ダブルベッドとテーブルとテレビの上に付いている。先程からテレビからAVビデオの女の喘ぎ声が聞こえる。キャンキャン吠える犬のようだ。 風呂場からアロマの香りが漂ってき、土子モドキも甘い匂いを発している。 何だろう。 ライオン、アンタ幸せだよ。何が透明になりたいだ? その思いは土子モドキの一言で消え去った。 「見ちゃったの、零水君」 土子モドキがバッグから何かを取り出す。 「零水君があの女とイチャつくのを」 「え?」 「惚けないで!!零水君、本当はあの女の方が私より好きなんでしょ?」 俺は記憶を探る。何故か、幼馴染設定の女の顔が出て来た。美人だが、性悪ででも、時々見せる顔が可愛くて…。
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