第3章

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土子モドキはホステスの仕事をしているらしい。俺をホテル監禁してから、3日目、ようやく俺を解放した。パラダイスHotelのチェックアウト代はバカにならなかったが、土子モドキなら何とか払える値段だった(5万円)。 土子モドキはワザと見せつけるように胸元を開けている。男を誘うような華奢で純粋そうな雰囲気は俺でも呑み込まれそうだ。 『ブランド女』 ふと頭の中にその言葉が張り付いて離れない。 外見も中身も品物なのだ。ただ、何を間違ったか、簡単に刃物を持ち出すのは厄介を通り越して、自分の身に危機感を覚える。 芽愛はそれに対して、ただのヤンキー娘だった。つまらない女だと思っていたのに、高校卒業前に告白されてから、妙に意識しちまう。アホみたいに頭の上に髪を立てて括ってる姿は可愛いというより、滑稽だった。それでも、土子みたいなブランドものと違って、自然と笑顔になれる芽愛は俺にとって貴重な存在だ。 芽愛は大阪でLIVEを開くのが夢だった。毎日、ガムシャラにエレキギターに触れる姿は女の子というより、猛々しいロッカーだ。 芽愛と付き合っていたら、土子に殺したいぐらい好かれることはなかったんじゃねえか。 俺は手錠の痕の残った手を伸ばして影を見つめた。
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