第1章

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あ、そういえば、浦島太郎を思い出した。俺の中学の校長だが、白い髭を蓄えているのに皺が少ないし、苗字が浦島だから、生徒達が面白がって、あの話の長いクソジジイを浦島太郎と呼んでいる。言葉遣いには気を付けているさ。いや、悪かったって。 浦島太郎にもちゃんと俺のことを話した。どうしてか、いつも新しい学年に行く時、2年のーーそれも同じクラスの教室に辿り付くこと。成長期のはずの俺の身長が身体測定で同じ結果を出すこと。更には俺にだけ何か変なヤツが取り憑いていること。 そしたら、また黒電話が出現して、浦島太郎も俺の話を聞かない。 この現象あり得なくないか? それで、俺、1回死んでみたんだ。 校舎の屋上から花壇の近くまで確かに体は叩き付けられた。 それで? そうなんだよ。俺は生きているとしか思えなかった。 俺は死ねないことに気付いた。 だからかな?ワザとムードメイカーの性格を隠して、陰湿なヤツを気取り始めた。最初は面白半分だったさ。だけどな、段々、笑えなくなってきて、本当に陰湿なヤツになっちまって、土子しか残らなかった。土子は可愛いヤツだよ、だけど、アイツも相当暗いぞ。 マジ、つちのこみたいな女だ。ガールフレンドにしてやってもいいけどな。谷間に手、突っ込んでもいいなら。
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