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バグってばかりのゲームと戦うのはボスを倒すより難しい。背中に棘があり、首元にジャラジャラアクセサリーを付けた巨体の男は俺のリセットボタンで呆気なく倒れた。可憐なヒロインと土子を比べると全く別だったが、両者共、守ってやりたい気分にさせる。
ボス「俺様は50万年は生きてきた。俺の孤独をあの女は癒してくれるだろう。それをお前というヤツは何故…」
スキップ。
ボス「アイリーンの翼はもらった。お前に勝ち目はない。俺様を怒らせたお前には凄惨な目に…」
スキップ。
ボス「助けてくれてありがとうございます、勇者様」
俺はボスの言葉をマジマジと見る。きっとこれもNINAの悪ふざけだ。NINAは電波を操れる。
ボスが、ヒロインを殴って勇者に付いてくる。
訳が分からない通り越してNINAに怒りを覚えた。
俺のゲームなら俺のシナリオ通りにいくのが、普通だろ?他に魔法使いが剣しか受け付けないバグも腹が立った。
「NINA、ウチにラフレシアを置こうと思うんだけど、どうだ?」
NINAは匂いのキツいものが苦手だ。特に悪臭には耐えられず、俺がトイレに行く間、離れた所で待っている。
《ゲーム、傑作じゃない?褒めてよね》
偉そうに腕を組むと、NINAはソッポを向いた。
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