第1章

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《礼央、起きて。朝の散歩行きましょ》 NINAの言葉で、俺は重い瞼を開ける。NINAが手足を引っ張って来るが、俺は痛い痛い言いながら、ボーッとソファーから離れようとしなかった。 痺れを切らしたNINAが俺の頬を思いっきり殴った。痛いってレベルじゃねえぞ。 俺はキレてNINAに襲いかかろうとする。NINAに触れないことを忘れていたせいで、前のめりになって倒れる。 NINAが、クスクス笑った。 《朝から元気ね、礼央》 俺はアホ毛を直しながら、毒付いた。 「お前程じゃねえよ、NINA」 《今晩のゲームのストーリー、傑作だったでしょ?》 「ああ、犬がヒロインで勇者とラスボスが犬の肉を平らげるのな」 俺の髪の毛は静電気で擦った後のようにピョンピョン跳ねている。こんなもの全部は直しようがない。 《ヒロインのドーベルマンの悲劇ね》 「どういうバグり方したら、そんな話になるんだよ?」 俺は怒るのを諦めた。NINAは相手にすればするだけ、コケにされるタイプのヤツだ。 俺は無言の母さんが作ったベーコンエッグを口に運ぶ。パジャマは着ない派だから、ワザワザ着替えなかった。ふと夜、寝ている内にNINAが電波で俺の髪の毛をグシャグシャにするイメージが湧いたが、余りにも気持ち悪いんで、直ぐに想像をやめた。
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