第1章

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「申し訳ございません。 キャンペーンは、 こちらのお客様を最後に終了いたしました」 スタッフの女性が答えると、 セレブ婦人は初めて里菜の存在に気づいたかのように、 里菜を一瞥した。 セレブにとって下々の人間は、 エキストラ。 その他大勢の脇役。 主役は私よとでも言わんばかり。 最高に嫌いなタイプ。 「でも、 こちらのお客様がキャンセルすれば別ですが・・・」 「いえ、 行きます!」 **************************************** 「それでは出発いたします」 セレブ婦人に対抗するように、 勢いで申し込んでしまった里菜は、 あれから10分もしないうちに旅行会社の別室に案内された。
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