第1章

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「少しは羽を伸ばしたい」と言って3人で来た。 「仕事一筋で頑張ってきたんだから、 自分へのご褒美だ。 少しぐらい贅沢してもいいだろ」 と、 あまり乗り気ではないママを強引に連れ出した。 パパはいつもそうだった。 こうと言い出したら、 誰の意見も聞かない。 頑固もので、 わがまま。 今では珍しい亭主関白。 一端怒り出すと、 家族の誰もが口を挟む余地もない。 里菜は、 そんな強引さに反発することもあったが、 今となってはそんなことはどうでもいいと思える。 3年前にハワイ島に来たのは、 本当は自分のためではなくママのためだと里菜は知っていた。
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