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「ここ数年、イストルランド国内で、大戦時に犯罪を犯した兵士を排除する活動が行われているらしい。まぁ、それだけなら結構有名な話だが……」
「その犯罪がバレる前に、証人を殺す動きも出てる、ってワケか……オレみたいに」
「察しがいいな」
サリヴァンは続ける。
「依頼という形で無理難題を吹っ掛け、アサシン側、つまりてめーが逆に殺されるってシナリオだ。
まぁ個人的には、てめーが殺されても全然構わないが……社長が「なんとかしろ」だとよ」
「へーぇ、社長がオレのことそんなに買ってくれてるとは光栄だね」
ジェイは別段嬉しくも無さそうに呟く。
「じゃあ、殺されるのはやめとこうかな」
「てめーが今なに考えてるか当ててやろうか」
サリヴァンは手帳をぱたんと閉じた。
「社長の言いなりになるのも、あのクソ副隊長の言いなりになるのも不愉快だ」
「そ。で、ついでに言えば、あんたにそう見透かされるのも不愉快かな」
「俺も同意見だ。……さて、話を変えるが、あの副隊長が乗る予定にしている船に、ぐうーぜん、我が社の「処理班」が待機しててな」
「いいねぇ処理班。オレの夜の処理も頼みたいなぁ」
「……分かった。ガチムチ船員タイプの男数人だが、終わり次第向かわせてやる」
「要らない」
ジェイは即答した。
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