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「もしかしたら、今晩、運悪くその船が原因不明の爆発を起こすかもしれないんだが、どーする?」
「オレがやるか処理班がやるかって?
別にどっちでもいいよ。あんたの好きにしたらいい。興味ないし」
「……あいつを殺すか、生かしてやるかの質問だったんだが……まぁいい。ではこちらで「処理」させてもらおう」
それから、と、サリヴァンは続ける。
「例の魔導師はどうする?言っておくが魔法関係はこちらでは対処しきれんぞ。その上、随分ヤバそうな奴らしいからな。
いなくなる男の依頼だ。受けなくてもいいだろ」
「それなんだけどさぁ、そいつオレより強いの?今日の取引のこと知ってたんだから、その魔導師についても調べたんでしょ?」
「一応、我が社の顧客情報を調べてみたが、その魔導師に関する資料はどこにも見当たらなかった。国籍も戸籍も一切不明だ。イストルランドの禁書書庫にでも入れば、少しは分かるだろうが……なんだ、気になるのか」
「ふぅーん……」
「…………なんだ」
「べつに…………」
「…………。」
「…………。」
「…………お、おい。念のため言っておくが、イストルランドの警備は厳重だ。特に禁書書庫は兵士長であっても入るのが禁止されているんだぞ。うちの社員が何人バレて殺されてるかてめーは知らんだろうが!」
「へぇー、大変だね。ガンバッテ!」
「……~ッ!!」
「さぁ、お仕事頑張らなきゃね、レイヴン商会随一の敏腕サポーターさん」
「いつか殺してやる」
「ははっ、奇遇だねオレも同じ意見。生きて帰ってこれたらの話だけどね」
サリヴァンは、手元のグラスをぐいと飲み干した。
「…………ッたく、次の決算が終わったら、別の奴と組むからな」
「じゃあオレには可愛い女の子サポートにつけてね。そうしたら、むしろオレが色々とサポートしてあげようかな」
「黙ってろ」
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