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本棚に追加「おっ……と、」
薬草店の看板がぶら下がった建物から、不意に誰かが飛び出してきた。
ぶつかる直前に後方へ避け、ジェイは石畳につまづき転びそうになっている相手の肩を掴んだ。
口の開いた大きな紙袋を両手で抱き、肘にもいくつかの袋をぶら下げていたその少女は、慌てたように数歩後ずさってから、ぺこりと頭を下げた。
「あッ、すいま」
ザザー。
紙袋の中に入っていた薬草の束が、一気に石畳の上を舞う。
「きゃ!やだ」
ガシャン!
ガシャン!
ガシャッ!
薬草を拾おうと手を伸ばした途端、肘にぶら下げていた袋が一斉に滑り落ちた。
中の壺か瓶が割れるような音がして、石畳の上が、様々な粉末や液体まみれになる。
「わわっ」
すてーん。
袋を拾い上げようと足を出した少女は薬草の山を踏み、そのまま盛大にスッ転んだ。
水色だ、悪くない。
不謹慎な事を考えながら、ジェイは苦笑いをした。
「…………いったぁ」
強打した頭を抱え、少女は瞳を潤ませている。
「またやっちゃった……」
泣きそうな声色でそう呟いた少女は、ジェイが哀れみの視線を向けていることに気付き、そこで慌ててスカートを押さえた。
「あっ……あの……」
気まずい沈黙が流れる。
「えっと……大丈夫だよ。霧出てるし」
ジェイが言って手を差し出すと、それを聞いた少女は安堵の溜め息を漏らした。

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