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洸は自分が負けたと実感していた
この人には敵わない
こんな素敵な男、俺でも憧れる
そしてこの男を見る彼女は幸せそうだった
高校時代、俺が彼女に話しているときとは違う表情
姉貴に色々と言わなければよかった
親父が入院して姉貴が色々と出しゃばってこの2人を切り裂こうとしているんだと…
俺、ただのおもちゃじゃないか
そう思ってしまった
「そうだ、藤浪くん」
有紗は俺を呼んだ
「何?」
「お父様にくれぐれもよろしく伝えてね。契約は今後しないかもしれないって」
彼女が益山の人ではなかったら、俺はただの同級生と見ていたんだろう。彼女がなぜ、益山を名乗らなかったのか。それは自分を利用する人がいることを認識していたからか…
俺も利用しようとしていた
「わかった。じゃあな」
俺は病室から出ていく
すると後から彼女の婚約者が俺を呼んだ
表情は真剣だった
何だよ
もう関わりたくない
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