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「なら言うが、有紗は南里が川上の補佐をさせることは反対だったのか?」
「彼女がデザインに興味があるのは把握してたわ。でも、その前に営業補佐に回って欲しかったの」
有紗が言いたいことはわかった
有紗は南里に営業補佐に回って、自分の仕事がいかにして成り立っているのかわからせようとしたのだ
おそらく入社して半年は慣れるまでに時間がかかるから研修や企画書の提出などをさせてきたのだろう
「だが、杉山たちのこと考えると今回は南里を育てるという意味ではいいチャンスだろうな」
「梓さんもいつ妊娠するかわからないものね」
「有紗もだろ」
「あたしたちはまだ先でしょ」
その言葉に俺の考えは否定されたようなものだった。だからこう答えるしかない
「そうだな」
俺よりも仕事を優先にしているのだから
だが、彼女はそんなことも考えていない
だから有紗はコーヒーを飲み終えるとすぐに持ち場に戻った
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