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「南里ちゃんもありがとう」
か弱い声であたしにお礼を言う有紗さん
それだけで涙が出そう
すると、担当医がやってきた
「有紗ちゃん大丈夫?」
有紗さんはコクリと頷く
「ならよかった。ちょっと隆太の彼女きて」
なんか怖い…
「はい」
あたしは有紗さんの病室を離れた
そして連れて行かれたのはさっき隆太が輸血のために入った部屋だ
「隆太、ちゃんとご飯食べてないみたいなの。ちょっと輸血しただけで倒れちゃって…。彼女さんも言ってあげて、隆太は感情を表に出さないけど、素直でいい子だから」
里菜さんはそう言うとあたしに隆太の寝顔を見せた
「昔からね、隆太は彼女をあたしに紹介していたの」
「え?」
「写真だったり会わせてくれたり。でも、あなたのことは真剣だから結婚することになったら紹介するっていつも写真も見せてくれなかったの。有紗ちゃんからこの間、あなたの写真を見せてくれたの」
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