最悪な事態

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「今までも前山議員が来ていたのか?」 総理はユメに尋ねた 「今日はここに呼び出されたの。私がよくこの場所に来ていることくらい知ってたみたいだし」 「有紗から聞いたよ。ユメちゃんも巻き込まれたんだね」 「確信はないの。でも、アンドロワで起こった事件はおそらく…」 言わなくてもいい 「前山派閥の議員が犯人なことはわかっている」 「その証拠隠滅のために支配人を殺したことも。美紀ちゃんが妊娠を隠してフランスに行ったことも全て?」 コクリと頷くしかない 「ねぇ、小川くん。茉音を誠に会わせたいの。誠を今の生活から救って」 その言葉に総理は何も言わなかった 「誠は何も知らないの。美紀ちゃんが何のために離婚したのか、子供がいることを隠しているのか」 「君の息子は真相に迫ろうと警察関係者と捜査している。もしそのことが前山派閥の人間に知られたら君の息子と君は殺されるぞ」 愛のある脅しだった
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