茉音の父親

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「美紀…」 「あなたは医者に戻るほうがいいと思う。小川総理の任期満了にともなって総裁選が行われるから、その時までにあなたが奥さんと離婚できていたなら、自分のしたいことに時間を置いて」 美紀はそう言って荷物の中から小さな箱を持ってきた 「これは、あなたが持ってて」 「これは?」 「茉音の写真よ。あたしが誠と離婚したのは、誠と茉音を守りたかったの。今、誠のお父さんたちが私たちを調べてる。私が殺される前に写真だけでも…」 誠は美紀が殺されることを予測していることに腹が立った 「お前が殺されるだと?生きるために何かしろよ」 「そんなこと言っても、カレンが殺されたのよ?次は私かもしれないわ」 誠は席を立って美紀を後ろから抱きしめる 「離して。もう帰って」 「美紀…、俺がどうして黙ってお前の嘘を見抜いていながら離婚届にサインしたと思う?俺は、美紀が俺や親父に隠したいことがあるから嘘をついたと思ったからだ」
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