茉音の父親

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「別れたあと、資料を集めたんだ。ちょうど、美紀の亡くなったお父さんから俺宛に手紙が届いてな、そこに書いてあったんだ。そしてその保管場所が二箇所あることも。だから俺はそこで資料を見て、親父を蹴落とそうと考えたんだ。お袋を捨てて別の女と再婚して、その女と子供を作っていたわけだから、俺はいなくてもいいやつなんだと普通に考えていた。美紀とやり直すために」 「…」 「美紀、茉音を産んでくれてありがとう。美紀、もうどこにも行かないでくれ」 美紀は涙を流す 「1人で抱え込ませてごめんな。千晶に散々怒られて、俺も早く資料を集めようと頑張ったんだ。だが、10年もかかってしまった。ごめんな」 「それでも、俺を許さないか?」 誠は美紀の頭を撫でる 「どうして知ってたの?茉音があなたの子だと」 「奈々香にドレス発表会のときに、しつこく言われたんだ。美紀の子はあなたの子だと、俺は違うと思っていた。だが、あの子の年齢から考えて千晶の言葉から考えても、俺の子だと思ったんだ」
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