736人が本棚に入れています
本棚に追加
「元々、親父も婚姻届を出さない主義で、離婚が多くなるくらいならバツイチでやめようと」
その話を聞いて裕太は苦笑いを浮かべていた
「美紀と話がしたいんです。美紀に大変なことをさせたのは充分承知です。ですが、俺は美紀じゃなきゃいけないんです」
「知ってるよ。あの時、別れたのも美紀が隠していたからだろ?」
その言葉に切なくなる
「茉音。パパが来たからおいで」
裕太がそう言うと茉音は湊のそばから離れた
茉音は息をのむ
「おじさん?」
「この人が茉音のパパだよ。ママが隠していたのは、命の危険にさらされていたからだ」
その様子を少し離れたところから見ていた悠真と有紗は手をぎゅっと握る
「悠真…。もしあの子が生きていたら前山さんの気持ちわかってたかもね」
「あぁ。有紗がどうして俺に隠れてこの子を育てているのか有紗に責めたかもしれない」
「そうね。美紀さんの場合は、前山さんと茉音を守るためだったもの」
有紗はここが家なら抱きついたのにと思いながら話していた
最初のコメントを投稿しよう!