茉音と有紗

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「そろそろ帰るか?」 「そうね」 有紗は裕太のところに向かう 「裕太お兄ちゃん、そろそろ帰るね」 「あぁ、茉音をありがとう」 「うん、じゃあ」 そう言って帰ろうとした時、茉音が呼び止めた 「有紗お姉ちゃん」 「ん?」 「結婚式は行かせてね」 「わかった」 有紗は茉音に微笑んで悠真と帰った 「有紗?」 「ねぇ、悠真?」 「ん?」 「愛しているって伝えるの難しいね」 「いきなりどうした?」 「何にもない」 「有紗、何を考えているのか?」 「何も考えてないよ」 俺は彼女の嘘に気づく 「嘘だろ」 「ちょっとしたこと考えてただけだから、気にしないで」 「ふーん」 すると家とは反対方向に車を動かす 「ちょっと…」 「俺の気が変わったから」 そう言ってどこに向かっているのかわからなかった 着いたのは、水族館だった チケットを買ったとき、社員さんが貸切ですよと言ってくれた 有紗の知名度が高いからだろう 俺は笑って有紗と一緒に夜の水族館に入った
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