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そうだろうか?
「あのさ、悠真って仕事好きなんだろうなって思うけど、夢とかある?」
「あるよ。日本中に幸せをどんな形でもいいから届けたいって」
なんてギザな男なんだと思いながらも前を見て有紗の次の言葉を待つ
隣にいた有紗は笑った
「なんだよ」
「お兄ちゃんと同じこと言ってる」
湊さんもそんなこと言うんだ
「それでいいんじゃない?あたしはそれでもいいと思う」
なんのことだ?
「別に気にしないで」
気になる
車は映画館の駐車場に停まった
「有紗?」
「あたし、パパに役員にならないかって言われたの」
「で、有紗は?」
「役員にぴったりな人を推薦したの。今度の辞令が楽しみだわ」
そう言って車から降りた
「映画を観終わったら、財布買うから付き合って」
「あぁ」
俺たちは映画館の中に入っていった
役員にピッタリって誰だろう
俺ではないことはあの口調からわかる
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