有紗と桜子

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「堂本部長が副社長?」 「そういうこと」 諒太はそういうが俺は違うと思っている 有紗は笑っている 「副社長の話はパパの考えですから。パパの利害主義にうってつけらしいですけど、あたしは本部長が無難だと思っています」 有紗は笑っている 「有紗、駿が来たよ」 湊の言葉に俺は部長室を出た 「駿お兄ちゃん。久しぶり」 有紗は笑っている 「久しぶり」 どこか風馬さんにも似ている そうか、風馬さんは有紗のお母さんの従兄弟か… 「もう、いい加減桜子ちゃんを捕まえなさいよ」 隣にいる諒太も笑っている 「そう言ってもな、忙しいんだよ」 「うるさい。さっさと結婚しておじさまを安心させて」 「あー、あの政治バカね」 この発言にみんなが凍てつくが、益山兄妹には関係ないらしい 「総理大臣までやってるくせに外交にまで口出してるじゃない。そのおかげでママは桜子ちゃんを駿お兄ちゃんの異動先に異動よ」
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