大学4年生の悠真

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俺は社会人になっても、有紗との思い出を捨てることができなかった 有紗に渡せなかった婚約指輪を眺めながら俺はいつも仕事をしていた あの日、有紗が受付に所属した日のことを覚えている 大学生の有紗から大人の女性になっていて胸が高鳴った やっぱり好きだ だからその日から仕事絡みで受付と話すのが楽しみになった 有紗が対応しなくても、受付と絡みがあるから別に他の人からすれば俺の異常な執着心には気づかない あの合コンも森田が仕組んでくれたおかげだ 行く気にならなかったのを見透かして嘘をついてくれたことに感謝するしかない 湊さんと飲むときも必ず有紗の異動の話をしていた 「まぁ、有紗もそれが1番いいんだけどね、営業開発に異動させるためにちょっと人事部長をこっち側に取り込まないと」 「田中専務側ですか?」 「まぁ、有紗を益山一族とは思ってないだろうから、異動させやすいと思うけど」
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