735人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃、堺はバルコニーで酔いを覚ましていた
「兄貴、何考えてんだ?」
「大学の頃の堂本を思い出していた」
「先輩を?」
「あぁ。ゼミで占いのできる子が言ったことが本当だったなと思って」
「占いが当たる人ってあの人?」
「あぁ」
「何が当たった?」
「堂本と有紗ちゃんが復縁したこと」
「え?」
「別れてから彼女が俺に堂本の運命の人だから、5年くらい後に復縁するって」
「すごいな…」
「今、彼女はどんな仕事してるんだろ」
「同窓会開いたら来るんじゃね?」
「かもな」
「ところで兄貴は、先輩の出世は有紗ちゃんが絡んでると思う?」
いや、絡んでないな
「ないな。杉山の出世には関与してると思うが、堂本は自力だろ」
「やっぱそうだよな。兄貴の出世はどうなんだよ」
兄貴もキャリア組だということを弟の恭平は知っている
「さぁな」
「経理主任になったらエリートだな」
その言葉に俺は何も言えなかった
最初のコメントを投稿しよう!