彼女の母親から言われた言葉

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有紗が小学生の頃、先代がまだ会長としてやっていた頃だった 有紗は会長室で祖母の会議が終わるのを宿題しながら待っていた 秘書と有紗は仲が良く、百合子が来るまでいつも2人でいる 「ねぇ、有紗ちゃん。お姉ちゃんちょっとこの資料を社長に渡してくるね?」 「わかったー」 秘書は資料を社長室へと持って行った しかし秘書は社長室へ持って行ってはいない 今、会長室には孫娘しかいない 益山で1番嫌われている孫娘しかいない 会長にクビにされてから何故、自分なのか 頭のいい大学を出て、この会社に入社したというのにこの返り討ちはなんだ 孫娘を殺して会長を追い込もう そう思ってナイフを片手に会長室に入った 「お姉ちゃんおかえりー」 秘書だと間違えている孫娘 まだこっちを向いていない 秘書は不倫相手の専務に騙されただけだ 専務と俺が仕掛けたとは知らない 俺は孫娘に向かってナイフを出した
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