奏の彼女

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「ご家族の方ですか?」 女医が悠真に声をかけてきた 「婚約者です」 「そうでしたか。なら、今の状況をお話ししますね」 「先ほど結果を聞きましたけど…」 「そのことじゃなくて、別のこと」 俺はよくわからない 「彼女の月1にくるはずの生理がこないこと気づいてた?」 「仕事が忙しくて」 「はぁー、やっぱりだわ」 「あの…」 「彼女血が溜まってるのよ。子宮にね。簡単に言うと」 「はぁ…」 男にはわからない 「まぁ、とりあえず血は抜かないといけないからしばらく入院してもらいます」 「大丈夫なんですよね?」 「ええ。これが酷かったら妊娠なんてできなかったわ。よかったわね」 とりあえずお礼は言わないと すると有紗と同じくらいの歳の女医がやってきた 「お母さん、あんまり益山さんたちに厳しくしないの」 「いいじゃない」 その女医の母親は病室から出て行った
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