ある何でもない日常

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「ただいま~~!牛タンメロン味サイダーかって来たよ!」 扉を開けて少女が最初に放った声はそれであった。 この言葉を聴いて薄い灰色の髪をした体格の良い青年はイラついたように少女に言う 「ココ・・・・お前な、毎度のことだがなんでそんなゲテモノばっかり買ってくるんだよ!しかも経費で!お茶買ってこいお茶!」 「えぇ~?だって、茶ばっかり買ったら飽きるしさ。みんなで飲むんなら経費で落とさなきゃでしょ?」 ココと呼ばれた少女はスカートと明るい茶髪のツインテールのふりながらニコニコ笑って答えた 「こんなん飲むのは、お・ま・え・だ・け・だ!!」 「いやん!ギースったらそんなに遠慮しなくてもたくさん分けてあげるよ!」 「いらんわ!!」 ほぼ怒鳴りつけるようにココに言う青年・・・ギースにココは全く気にしない顔で対応している すると、少しはなれたところで、か細く、震えた声が二人の会話を止めた 「・・・あのな、あんたらさ、楽しい会話してるのはいいけど・・・そろそろ重いんだけど」 二人がその声の主を見てみると、大きな荷物をたった一人でひざを震わせて持っている青年・・・マイスの姿があった それは、おそらくココがくる直前までギースとマイスが二人ががりで運んでいたものであろう。 しかし、ギースがココの元へ行ってしまった為、そして中身が割れ物であるため、おいそれと下におろすわけにも行かずこうなってしまっている 「ああ!ごめんマイス!すぐに手伝うから!!」 両者は、あわててマイスのところへ向かい、謝罪とともにその荷物の運搬を手伝い始めた
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