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だけどエレベーターのドアが閉まると友哉は私の顔を見つめたまま、ただ穏やかな微笑みを浮かべる。
「……何よ」
ふて腐れながら言うと、友哉はクスリと笑いをこぼした。
「楠田部長に、ちゃんと想いを伝えられた?」
「大きなお世話。黒田君には関係な……」
言いかけた言葉を途中で止めたのは、友哉があまりにも悲しそうな表情へと変わっていたからだ。
ねぇどうして?
どうしてそんなに悲しそうな顔をするの?
言葉に出すことは出来ないけれど、瞳でそう問いかけると友哉はポツリと呟いた。
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