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「俺さ、やっぱ近いうちに会社を辞めると思う」
「え? 福岡に転勤するんじゃないの?」
「その予定だったけど、状況が変わった」
「……どういうこと?」
「だけどな葉月、何度も言うけどお前は必ず幸せになれ」
「…………」
「もう俺との間にあったことも、過去の記憶も……全部楠田部長に話してある」
その言葉で一気に怒りがこみ上げる。
「なんでそんなことするのよ!
それで幸せになれなんて言ってることが矛盾してるじゃない!」
今にも泣きだしそうな思いを必死に堪えながら友哉を睨みつけた。
そんなことを聞かされたら……きっと部長だって……。
そう思った瞬間、友哉は私の頭をポンと優しく叩いた。
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