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「凜、よかったじゃない」
「いきなり何だよ」
「凜みたいな見た目不良な人を好きとか言ってくれる子がいてさ」
「さらっと失礼なこと言ってんじゃねえよ。つか、はっきり言って迷惑なんだよ」
「そうかな?僕だったらちょっと嬉しいけど」
「だったらお前、いきなり好きだとか抜かす奴と付き合えんのかよ」
「うーん…そうだな。とりあえずどこがどういいのか小一時間問い詰めて、僕の性格を全て教えた上で、それでもいいなら付き合ってもいいけど」
「……確実に振られんだろ」
「何それどういう意味」
「そのままの意味だ」
「……ふうん、そんなこと言っていいんだ?」
「その笑顔と真逆の腹に飼ってる黒いモンを何とかしろ」
「何言ってるの?僕のお腹には何もいないけど」
「腹黒野郎が」
「腹黒?こんな爽やかな笑顔を撒き散らしてる男子高校生もなかなかいないと思うけどね」
「どこが爽やかだ、腹ん中で何考えてるかわかりゃしねえ」
「幼なじみなんだからわかるでしょ?」
「わかんねえよ。…これでモテるっつーんだから世も末だな」
「何言ってるの、凜だってモテるじゃない」
「は?」
「この間女子が凜見て騒いでたの見たよ」
「……興味ねえ」
「またまた、ホントは嬉しいくせに」
「うぜえ」
「まあ、今の凜なら興味ないだろうけどね」
「何だよその意味ありげな言い方は」
「さあ?あ、ゆずるちゃんだ。今日もまた寝坊したみたいだね」
「俺には関係ねえよ」
「そういえば、ゆずるちゃんってさ」
「あいつの話はやめろ、また近づいてくるだろうが」
「まあ聞いてよ。あの子、何気にクラスの男子に人気あるみたいだよ」
「だから何だ」
「愛嬌あるし、小さくて可愛いってさ」
「ああそうかよ」
「まあ確かに可愛いよね、凜にストーカーしてくるところを除けば」
「だったらお前が付き合えばいいだろ」
「無理」
「即答かよ」
「だってほら、ついいじめたくなっちゃうし」
「…お前、マジで性格悪いよな」
「そうかな?これでも割と丸くなった方だよ」
「お前の事を好きとか言う奴がいたら、見てみたいもんだな」
「まあいないと思うよ、僕みたいなタイプに心の底からそんなこという子は」
「自分で言ってりゃ世話ねえな」
凜と真尋、とある朝の会話。
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