手遅れです

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「二人とも仲良しだね、幼なじみだったっけ」 「そうそう、幼稚園から一緒」 「ただの腐れ縁だろ」 「ちなみに寮も一緒だしね」 「寮があるの!?」 「は?お前知らねえのかよ」 「担任から言われなかった?」 「ううん、言われてない…」 「まあ、うちの担任抜けてるところあるからね」 「限度ってモンがあんだろ」 「寮があるならそっちにすればよかったなあ…」 「家、遠いの?」 「まあ遠いかな、電車で通ってるし…それに」 「それに?」 「凜くんと同じ寮に、出来れば同じ部屋に行きたい…!」 「意味わかんねーよ死ねよ」 「言うと思ったよ。でもね、残念ながら寮は男女別々だよ?」 「そうなの!?」 「普通そうだろうが。お前バカすぎんだろ」 「かくなる上は男装して…!」 「無理無理、ゆずるちゃんすぐバレるよ」 「じゃあ夜這いに…!」 「マジで死ね、今すぐそこの窓から飛び降りてこい」 「…いつか本当に夜這いに来そうで怖いよね」 「おいやめろ、不吉なこと言ってんじゃねえ」 「でも羨ましいな、幼なじみ」 「ゆずるちゃんにはいないの?幼なじみ」 「うん、私何度も引っ越してるから」 「転勤族ってやつ?」 「そんな感じかな」 「なんか気になる言い方だなあ」 「爽やかな笑顔撒き散らしつつ、黒いオーラ出すの止めてください」 「やだなあ、そんなもの出してないよ」 「出してんだろーが、現在進行形で」 「酷いなあ二人とも。僕はただ秘密にされると気になるだけだよ」 「それって遠回しに秘密教えろって言ってるよね!?」 「やだなあ、そんなこと一言も言ってないよ」 「だって笑顔が怖いもん!」 「失礼なこと言うね、いつもこんな笑顔だよ」 「真尋くんにだけは秘密知られちゃヤバい気がする…」 「諦めろ、手遅れだ」 「え!?どういうこと凜くん…って待って逃げないでー!!」 「ふふ、楽しみだなあ」
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