40人が本棚に入れています
本棚に追加
「凜くん凜くん!」
「うぜえ黙れ」
「まだ何も言ってないよ!」
「つか、昨日から何気安く名前で呼んでやがる」
「いいじゃない、名前くらい」
「そうだよ!だから私のこともゆずるちゃんって呼んでね!」
「よくねえし誰が呼ぶか変態」
「変態!?いくら何でも酷いよ!」
「昨日男子トイレに乗り込んできたじゃない。あれを変態と言わずになんて呼ぶの?あの場にいた男子全員、お婿に行けないって泣いてたよ」
「たかが男子トイレじゃん、最近の男子って柔だなあ」
「お前の頭どうなってんだ、スポンジでもつまってんのか」
「もう凜くんってば、相変わらず素敵なんだから!」
「何でこいつ日本語通じねえんだ」
「そうだね、簡単に言えばバカだからじゃない?」
「……腹黒め」
「ゆずるちゃん、よく聞こえなかったんだけど何か言った?」
「とんでもございません」
「ふうん、まあいいけど。ところで凜に何か用があったんじゃないの?」
「うん、あのね。教科書忘れちゃって」
「その後のセリフが容易に想像つくんだけど…ていうか、転校二日目で教科書忘れるとかすごいね」
「そんなわけで凜くん、教科書見せて!」
「ふざけんな帰れ。つか、右隣の奴に見せてもらえ」
「私の右隣、壁なんだよ」
「……壁って誰のことかな?」
「ひぃっ!と、とにかく見せて下さい!」
「誰が見せるか、教師にでも借りろ」
「ああ、確かにあの先生なら予備持ってるよね」
「授業始めるぞー。」
「あ、ほら来たよ」
「月島に神川、篠崎…だったな。お前ら何してんだ」
「先生、私教科書忘れちゃったんで、凜……月島くんに見せてもらってもいいですか?」
「お前転校してきたばっかだってのに忘れるなよ。…まあいい、予備あるから取りに来い」
「ほら、いいって!」
「お前の耳は飾りか?取りに来いっつってんだろーが」
「いいじゃない、見せてあげれば」
「何笑ってやがるてめえ…!」
「凜くんと密着…うふ、うふふ」
「何気持ち悪い笑い声出して……やめろバカ近づくんじゃねえ!」
結局凜が折れた。
最初のコメントを投稿しよう!