デジマ王国への使者として

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 ぼくは走った。彼女が追いつけないくらいに。そして、デジマ国王の居城へとやってきたのだった。 「もし!私はタマ王国からの使者として参った者です。デジマ国王様はおいでになられますか?王への謁見の許可をいただきとうございます。」 「おう、そがん遠かところからようきたとね!しんどかったじゃろ?すまんが、王様は今席ば外しとるけん、また後で来てみんね。」 「…そうですか。王様はおおよそ何時くらいに戻られるのでしょうか?はい、では夜7時にまたここで…。ではよろしくお願い致します。それでは、また後ほど!」 「すまんね、ではよろしく頼むばい。」  どうしようか…?肝心のデジマ国王がいないんじゃあ仕方ないか…。エリサちゃんはもう行っちゃったかな?今から追いかければ間に合うかなあ。…あれ?エリサちゃん? 「アカ?アカ!良かったわぁ…。急にいなくなっちゃったんやもん。めっちゃ焦ったわ~!出島やから、船に乗ってオランダまで行ってしまったんとちゃう?って思っとったんよ(笑)」 「大丈夫だよ(笑)もうちょっとエリサちゃんといっしょにいられる時間が多くなったんだ!」 「何や?アカも嬉しいんか?迷子になって泣いていたんとちゃうん?そや、泣いたらお腹減ったんちゃう?カステラでも買うてあげる。犬用のはあるって聞いたんやけど、猫用のもあるんかな?」  そう言って、彼女はぼくを優しく抱きながら、近くのショッピングモール内にあるペットショップに入った。
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