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仕方なく美咲ちゃんの家へ向かった。
…私はここにいなくてもいいのでは?
そう思える程美咲ちゃんは井野くんにベッタリしていた。
そして井野くんはというと、一緒になってベタベタはしなくとも、嫌だとか恥ずかしいからやめてとかそういった素振りも見せなかった。
そして私はというと………。
何故でしょう。
あちらのソファーにカップルが見えるのは。
何故でしょう。
私がその輪にいないのは…。
何故でしょう
……私が他人の家で一人でキッチンに立っているのは。
まるでご飯作りに来たみたいじゃんか。
あーあー。
だから嫌だったんですよ。
…ていうか、井野くんにそんなにベタベタしないでよね。
あんた顔がいいから付き合っただけとか言ってたじゃんね。
何なら井野クンに諒さんを口説こうとしてたこと言っちゃうよ?
『……さん、近藤さん?』
「へっ!?」
『手、止まってますよ?』
「あぁ、ごめんごめん!」
って!ごめんごめん、ってなんで私謝ってるの!?
もういや!
そんな事を思っていた。
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