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家に着いてソファーに座り買ってきたパンを袋から取り出した。
……が、一気に食欲を無くしパンを机に置いた。
井野くん…、やっぱり美咲ちゃんが好きなんだよね。
そりゃそうか、付き合ってるんだもん。
私なんて元から土俵にすら入って無かったんだよね。
さっきの井野くんの姿をみる限り、ここにはもう来ない気がした。
言わなくても伝わってきた。
今になってジワジワと心を掴まれるような苦しみが襲ってきた。
「…っく……っう…。井野…く……。」
その日は彼のいつも着ているスウェットを抱きしめながら眠った。
微かに残る彼の匂いを探しながら…。
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