第4章~私の存在意義~

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家に着いてソファーに座り買ってきたパンを袋から取り出した。 ……が、一気に食欲を無くしパンを机に置いた。 井野くん…、やっぱり美咲ちゃんが好きなんだよね。 そりゃそうか、付き合ってるんだもん。 私なんて元から土俵にすら入って無かったんだよね。 さっきの井野くんの姿をみる限り、ここにはもう来ない気がした。 言わなくても伝わってきた。 今になってジワジワと心を掴まれるような苦しみが襲ってきた。 「…っく……っう…。井野…く……。」 その日は彼のいつも着ているスウェットを抱きしめながら眠った。 微かに残る彼の匂いを探しながら…。
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