第4章~私の存在意義~

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洗面所から出て行くと、井野くんは気にもしない様子で 『もう入ってもいい?顔洗ったら先に出ないと。』 本当に呆気ない。 「あ、うん…。」 私…今ほぼ裸を見られた身なんですけど。 パタンー… 洗面所に入って行ってしまった。 私もご飯を食べてしまわないと… そう思い座ってご飯を食べ始めると洗面所から井野くんが出て来た。 『じゃあ俺先に行きますね。』 そう言って玄関から出て行ってしまった。 ……ご飯を食べる手が止まってしまった。 私ってそんなに魅力ないのかな…? ううん…違うよね。 私を女としてみていないって証拠。 さっきの態度が何より語っている。 再び箸を動かし朝食を済ませ、歯磨きをした。 …あーあ、一緒に朝ご飯食べようと思って化粧先にしたのに。 食べっぱなしで空のお皿を見ながら食べる羽目になるなんて。 おかげで口の周りの化粧も少し落ちちゃったじゃない…。 食器を流しに置いて家を出た。
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