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「うん……。12歳上……」
「へえ……。年上が好きとか?」
「年下よりは上の方がいい……」
「ああ、そう」
その言葉を最後に、
海斗君はまたまたトイレの方へ歩き出した。
何を訊きたかったのかよく分からないなと思っていると、
今度は途中で立ち止まって振り返る。
「ついでだし送ってやるよ」
「え……」
「とりあえず蓮と待ってろ」
「でも……」
タクシー代をもらっているのを知っている筈なのに、
海斗君は自分の言いたいことだけを言ってトイレに入ってしまった。
蓮と待ってろと言われなくても、
出入口はカウンターレジのすぐ横だ。
どうしても蓮君と会うのは避けられない。
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