不意をつく人

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大学を卒業後、今の会社に就職した俺。 彼女を作ることはしなかったけど、友達や同僚たちと遊んだりして、それなりに楽しく過ごしていた。 そんな俺の元に… 再び円香が現れた。 円香が不意をついた3回目だ。 …といっても、円香も俺がいることに驚いていたようだったけど。 それでも、最初はただの部下と上司だったと思う。 円香は元カノではあるけれど、2回目の別れはきちんと話し合って別れたし。 引きずってるわけでも、忘れられないわけでもなかったから。 だから、特別な感情を再び抱くことはなかった。 だけど。 そう思っていたのは、勘違いだったのかもしれない。 やっぱり俺にとって、円香は特別な存在だったのかもしれない。 斎藤さんが円香に好意をいだいていると気付いたとき…。 斎藤さんと円香が食事に行ったと知ったとき…。 俺は確かに嫉妬し、焦ったのだから。
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