想いを告げる

5/10
前へ
/220ページ
次へ
「…じゃあ、私が元カノだから?」 部下という理由じゃないなら。 私に残されたのは、元カノというポジション。 「…どうだろうな。円香以外の元カノとは、別れてから会ってないから、それはわからない」 …私以外の元カノがいるのは仕方ないし、当たり前。 私にだって、元カレはいるわけだし。 だけど、それをはっきりと拓実の口から聞いてしまうと… どうしても、胸がざわついてしまう。 まぁ、もっとも、元カノと今でも会っているという答えよりはマシだろうけど。 「だから、元カノだから、なのかはわからないけど。ただ、こうして会ったり、帰りに送ったりする理由をつけるなら…。それは、相手が円香だからだよ」 …優しい目でそう言う拓実。 「相手が円香だから。その回答は、これじゃダメかな?」 そんな目でそんなこと言われたら… 首を横に振るしかない。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加