積み木

不意をつく人

円香と別れた俺は、何人かの女の子と付き合った。

大学で出会ったちょっと可愛い女の子。

街でナンパされた派手目の女の子。

友達の紹介で出会ったきれいめな女の子。

俺は何人かの女の子たちと付き合った。

正直、女の子と付き合うことに苦労はなかった。

ほっといても声をかけてきて、何もしなくても告白された。

…自分から告白したことなんて１度もなかった。

付き合えば、それなりに好きにはなった。

見た目は最初から良い子ばかりだったから。

…俺を好いていくれて俺を大切にしてくれている彼女たちを、それなりに好きにはなった。

だけど、円香ほど好きになれる女の子はいなかった。

誰と付き合っても、円香ほど好きになれる女の子はいなかった。

そのうち俺はいろんな女の子と付き合っても仕方ないような気がして。

大学を卒業する頃には、いろんな女の子と付き合うことはやめた。