不意をつく人

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そんな円香にまたこうして不意をつかれるなんてな…。 落ち着いたら円香にはきちんと告白しようと思っていた。 だけど、まさかこんな形になるなんて…。 でも、3回目の告白は俺から、その決意を守ることはできた。 3回目、か。 まさか、3回目があるなんて思わなかった。 だけど、大人になった今なら… もう同じ過ちはおかさない。 もう4回目はない。 …もう円香と別れるつもりはないから。 そう遠くない未来、俺は円香にプロポーズするつもりだ。 また円香に不意をつかれて、円香からされてしまう前にしないとな。 …なんていうのは、やっぱりかっこつけすぎかもしれないけれど。 でも、幸せになりたいんだ。 円香と一緒に。 昔、円香が言っていた。 「ねぇ、知ってる?積み木って最初が肝心なの。最初に三角とか置いちゃったら、あとをどんなに上手に積み上げても安定はしない」 何度も崩れた積み木だけど。 今度は崩れない、そう信じているから。 END
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