今の2人

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「たく、、、秋島主任、ちょっとよろしいですか?」 拓実、そう呼びそうになって、慌てて秋島主任と言いなおす。 「…会議の件ですか?」 慌てた私にたいして顔色1つ変えずにそういうコイツは、相変わらず可愛げがない。 …もっとも、小学生から知ってるコイツに、可愛げがあったことなど数えるほどしかないのだけれど。 「…はい」 コイツ、秋島 拓実(アキジマタクミ)と、私、藍原 円香(アイハラマドカ)小学校、中学校、高校と同じだった。 「では、5分後会議室で聞きましょう」 この部署の人達は、みんな私と秋島主任が同級生だと知っている。 だから、私が拓実と呼んだとしても、たいして構わないと思う。 でも、上司と部下の関係なんだし。 …そして、何より拓実はすごく嫌がるから。 「…わかりました」 あの嫌がり方は、本当に可愛げがない。
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