過去の2人

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ダンスパーティを拓実と踊った私は... 「...ごめんなさい、拓実」 ずっとずっと謝りたかった。 一方的に別れたこと。 「...なにが?」 優しい顔の拓実に... 泣きそうになって。 「あの日...一方的に別れるなんて言ってごめんなさい...それなのにまだ好きでいてごめんなさい...」 言うつもりなんてなかったのに、言ってしまった。 ...今でもまだ好きだってこと。 「...勝手だな、円香は」 なんて、言われたから。 拓実は、怒ってると思った。 ...怒られても仕方ないことを言っている自覚もあったし。 「でも、ま、いっか」 拓実は、怒っていなかった。 ...それどころか、笑っていた。 「...いいよ、許してやる。許してやるから、今度から、ちゃんと話聞けよ?少しは俺のこと、信用しろよ?」 信じられないことに、私と拓実は、再び始まった。
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