第3章 障子の向こう

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 手帳はそこで途切れていた。 あなたは偶然、このごみ袋に入っていた手帳を見つけそれを持ち帰り、家で読んでいた。 この男はよほど追い詰められていたのだろう。後半の方は文字が乱れている。さらに実はこの間には判別不能な文字がいくつか並んでいた。 あなたは正体が何か、気になりながら次のページを開く。しかしそこから先は白紙で何も書かれていない。 いや、よく見ると数ページ切り取られている所があるようだ。どうやらそこに正体について書かれていたようだが破り取られたようだ。 あなたは残念な顔をして手帳を閉じる。そして思った。 男はいったい何を見たのだろう?そしてなぜだかその正体のページを破り捨てたのだろう? 考えたが分からない。あなたはすぐに手帳をごみ箱に捨てた。 さて、男は何を見たのだろう?それは異形のものかも知れないし、実は動物や何かの影だったかもしれない。 しかし真実を知る者はいない。男がどうなったのか誰も知らないし、それが家族にも見えたのかも知らない。 ただ残ったのはこの手帳のみ……
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