第1章

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写真には若い頃のおばあちゃんがはにかんだような笑みを浮かべ写っていた。 緑に囲まれた小さな橋の上で、まっすぐカメラを見つめている。 若いおばあちゃんは清楚な美少女だった。 おばあちゃんの美貌に見とれていたわたしは、 あることに気づいた。 「? これなに?」 「え?」 「ほら、ここ、おばあちゃんの肩のところ見て」  おばあちゃんの肩には羽の生えた小さな人、 つまり妖精が腰掛けていた。 「妖精? まさかね、人形かしら」 「妖精っぽいよね」 「ぽいけど、まさか本物じゃないでしょう」  裏を見ると“Fairly Bridge”とだけ書いてあった。 「フェアリー・ブリッジ?」  妖精らしきものが写っている場所が、そのものずばりフェアリーブリッジと知り、母とわたしは顔を見合わせた。  
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